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〔参考(3)〕
総トン数5〜20トン程度の小型FRP製船舶の速力-馬力の関係を求めるとき、前記〔参考.(2)〕に述べた有効馬力推定表を使用すればよいが、その推定可能の最高速度は総トン数が5トン程度の船舶で約10ノット、同じく20トン程度のものでは約13ノットまである。
最近の実用船舶では、使用目的によってはその最高速度が上記の速度を大きく超えるものがかなり多い。そこで(財)日本小型船舶工業会では、前記の図表の推定速力範囲の拡張を計画し、引き続いて高速域における系統的模型試験を実施した。これらの試験結果を基にして、前記図表と殆ど同様な表現型式の小型FRP船型の高速域の馬力推定図表を作成した。
船型は前記馬力推定図表を作成したときの模型試験で用いられた系統的模型船群と同じスケグ付ハード・チャインを有する角型の船型である。
(1) 馬力推定図表の構成等
前記の馬力推定図表と殆ど同様の構成であるが、図表の横軸にCpを変えてCBをとり、Bc/Tの替りにBc/▽1/3に変えた点が相違している。即ちFn▽、Bc/▽1/3及びlCBを一定として、CBを横軸に、LWL/▽1/3を縦軸にし、排水量22.5トンの実船の全抵抗係数22.5γTを100倍にした値を変数として図表を作成している。
本図表の船速や船体の主要目比などの適用範囲は下記の通りである。
Fn▽→1.3,1.4,1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2.0,2.1
Bc/▽1/3→0.9,1.2,1.5
CB→0.38から0.62の間
lCB及びLWL/▽1/3→前記〔参考(2)〕の馬力推定図表と同じここで、方形係数CBは下記のような定義の数値を示す。

104-1.gif

で、LWLの1/2において外板とキールの接点から下方の排水容積δ▽を全排水量から減じた値を用いる。また、TはLWLの1/2における外販とキールの接点からW・Lまでの高さを示す。
なお、本推定図表に用いられる記号や船速及び所要馬力の計算式は前記推定図表と全く同じである。
本図表による馬力推定可能な速力範囲を図1.14に、また、高速域の馬力推定図表の1例(Fn▽=1.3,Bc/▽1/3=0.9及び1.2、lCB-10%、-5%、0.35%)を図1.16及び図1.17に示す。

 

 

 

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